院長の独り言 327 ; 和紙で作られた赤富士
当院の若きドクター 山森翔太君のご両親から、新築祝いとして、和紙を漉(す)き込んで作られた『赤富士』を頂きました。
われわれ夫婦の大好きな富士山を漉いた工芸品です。
『富士山』の絵が一枚、欲しいと前々から思っていたので、嬉しい限りです。
富士を題材にした絵画や工芸品は、古来より多く作られており、春夏秋冬のどの季節の富士山も、素晴らしい題材になります。
その中でも、『赤富士』は葛飾北斎をはじめ、名の知れた、多くの作家が挑戦しています。
『赤富士』とは、初秋というより、夏の終わりの頃、朝日に照らされて薄い赤色に染まった富士を描いたものです。
現に、『赤富士』は夏の季語であって、秋や冬や春の季語ではありません。
頂いた作品は、和紙を使った工芸品を多く製作している、人間国宝の山内一生師のものです。
現代的な感覚で和紙を巧みに操り、素晴らしい作品を世に生み出した山内先生は、日展をはじめ内閣総理大臣賞など数え切れないほどの賞を受賞しています。
和紙を積み重ねて製作しているので立体感があります。
頂いた作品『赤富士』を目の前でジッと観察すると何とも言えない神々しい富士山です。
流石、和紙を操る名人ですね。
よく目にする『赤富士』は、前述の北斎、そして横山大観、最近の画家では林武や片岡球子です。
『赤富士』は縁起が良いとされるので、旅館の玄関口や会社の応接間に飾ってあるのをよく見ます。
実際、小生もピンク色に染まった美しい富士山を何回か見ていますが、その都度、心が洗われる気持ちになるのです。
この『赤富士』を毎日眺めて幸せ気分に浸りたいと思っています。